「捨て童子・松平忠輝」
「捨て童子・松平忠輝」が面白い。
松平忠輝は、徳川家康の六男で、実在の人物。
隆慶一郎は、その忠輝を異才を持つ“鬼っ子”であったとし、
道々の者、キリシタン等を巻き込んだ、徳川初期の時代のうねりの中で
鬼っ子ゆえの歓びと哀しみを味わった人物として、見事に描き出している。
隆慶一郎の作品としては、「花の慶次」として漫画化された「一夢庵風流記」等が有名であるが、
この長編は、スケールの大きさで、明らかに優る。
伝奇小説のお好きな方には、是非読んで頂きたい作品である。
- 作者: 隆慶一郎
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