ひかりの剣

ひかりの剣

ひかりの剣

チーム・バチスタの栄光』の海堂尊による青春剣道小説である。


ジーン・ワルツ』の清川准教授と『ジェネラル・ルージュの凱旋』の速水教授の若かりし医学生時代、剣の道での二人のライバル関係を視点を交互に変えながら描いたこの作品は、一方で『ブラックぺアン1988』の裏ストーリーになってもいるという、まさに海堂ファンには堪らない一作なのです。

個性豊かな登場人物が、各作品の中で複雑に交わりあい、世界を作り上げていく。
これが、海堂文学の魅力の一つであることは疑い得ません。


『ひかりの剣』の中で一番印象に残ったのは、清川・速水をあるいは励まし、あるいは煽る、高階顧問*1の姿でした。
にやにやしながら、からかいながら、後進を導くその優しさがとても素敵です。*2
全てを見通すその視線は、自ら潜った修羅場の中で、育まれたに違いありません。


もっと良く知るために、もっと経験を積んで行きたい、『光の剣』を読み進めながら、そんな事をふと思ったりもしました。
もっと、もっと!!


チーム・バチスタの栄光

チーム・バチスタの栄光

ジーン・ワルツ

ジーン・ワルツ

ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋

ブラックペアン1988

ブラックペアン1988

*1:「タヌキ親父」こと高階病院長

*2:女性読者のファンも多いらしい