半導体概況
日経BPサイトTechOn!から、2008年における世界の半導体市況の記事を拾った。
「2008年の半導体業況は対前年比5.2%減の2583億400万米ドル」だそう。
1ドル=100円の単純計算で行くと、25兆8340億円か。
全世界のGDPは、543,116億ドル(2007年: Wikipediaデータ)
5431兆1600億円ということで、単純計算だと0.5%くらいの規模か。
今の世の中での半導体の重要性を考えると、小さい市場規模という気がしないでもない。
ちなみに、2008年の世界経済の伸びは推定1.1%だそう。(IMFデータ)
半導体の落ち込みは、全体と比べて大きいということ。
さて、TechOn!の記事は、こう続く。
一方,上位25社のうち,前年に比べて売り上げを伸ばしたのは,5位の伊仏合弁STMicroelectronics社,8位の米Qualcomm Inc.,11位のNECエレクトロニクス,14位の米Broadcom Corp.,15位のパナソニック,18位のシャープ,20位のローム,22位の米Marvell Technology Group Ltd.,23位の台湾MediaTek Inc.,24位の富士通マイクロエレクトロニクスの10社。中でも,Qualcomm社とBroadcom社,ローム,MediaTek社は前年より順位を上げた。
なんか変だと思いません?
業績悪化が著しい日本半導体メーカーが売上を伸ばしているなんて。
おかしいと思って元記事を当たったら、こんな文章がありました。
...for the four Japanese suppliers, NEC, Panasonic, Sharp and Fujitsu Microelectronics, this growth was less about rising sales and more about a significantly more favorable exchange rate between the Japanese yen and the U.S. dollar.
要訳すると、為替が円高に振れたから、米ドル建ての売上が増えました、と。
決して、業績が上がっているわけじゃないのよね、やっぱり。
他のメーカーについても、買収などで、売上が上がっているだけなのではないだろうか。
ロームが沖電気の半導体部門を買収して、増収となっているように。
調べきれてはいないけど。
TechOn!の記事には勉強させられることが多いだけに、ちょっとミスリーディング気味なところが気になる。
出来れば、数字の動きの理由も示して欲しいですよね。
ともあれ、勉強になりました。