天皇論

小林よしのり著「天皇論」を読む。


戦争論」で日本中に大きな論議を巻き起こして以来、私と公の問題をメインテーマに、国とは何か、日本とは何かを考え続けてきた小林氏にとって、天皇は避けることの出来ないテーマであったはず。
タブーとされがちなテーマに真正面から取り組んでいく姿勢は氏の特長の一つであり、見習うべき点である。
今回も、この難しいテーマに怯まず、自分の主張を通しきっている。
まずは、この本の上梓に感謝の意を捧げたい。

ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論

ゴーマニズム宣言SPECIAL天皇論


天皇とは、何か。
一言で言えば、シャーマンキング、祭祀を司る王様である。
世俗を超えた聖なる存在*1であり、日本国と日本人のために祈りを捧げるのが仕事である。*2


なぜ天皇という仕組みが生まれたのか、天皇は日本にとってどのような存在であるのかが、この本の中で解き明かされている。
天皇を知ることが日本を知ることだと、読者は知るだろう。
日本について、もっと深く考えたい人は必読の書。



新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論

新・ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論

*1:その意味で、神(=カミ、上)ではある。

*2:絶対主権者でありGod(絶対神)だったという考えは、欧米的発想からの誤解である。